悪魔は人に依存する
「ちっ……」
首に手を置いて、息がしづらいのを感じる。
シキミ以外の召喚師に呼ばれたことはないものの、今はこいつが主としての役割を持っているのかと、力が上手く入らない体から察する。
呼び出された召喚物としては、ここで生きるためにも主の一部を貰わなければならないが。
「ふざけるな、俺の召喚師はシキミだけで。お前が言う奴とは違う」
他の奴を主と認めたくないのならば、そいつの一部など貰いたくない。
強情と言われればそうだが、アガトはシキミ以外の奴に身捧げる気などさらさらない。
「あー、ワタクシも、『シキミ』の召喚物は奪いたくないねん。後がこえぇん」
「だから、お前が思う『シキミ』と一緒にするな」