girls-光に背いた僕等は-



そのことは凄く癪(しゃく)だった



でも、この状況が
今までなかったってことは


すげぇ有り難い





「……とりまさー、
ここじゃなんだから
何も言わずに来てくれる?」




一通り殴ってきた充先輩は
少しだけ肩で息をつきながら

吐(ぬ)かした



俺は真っ白のシャツで
鼻血を拭い

痛む脚と体を引きずるように


充先輩の取り巻きに
背中を押されながら
必死に歩いた








「柚樹?」





そのまま校門をくぐろうとしたら
名前を呼ばれた




高くもなく低くもない

けどどっちかってーと
女にしては低い

ハスキーな声だった



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