girls-光に背いた僕等は-
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きょーだい
「柚樹くん時間よ」
母さんが優しく俺を呼ぶから、
大きなエナメルバッグ抱えて部屋を出ると、
母さんはそれを取り上げる。
そのままオレンジの軽四に乗せられて、
俺は夕陽を追って学校を目指す。
それと入れ違いに、
チャリに乗った金髪の女が家に向かう。
夕陽のオレンジに反射した金髪は、
優しいアマイロで。
なびいた長い髪が、
背中で踊っていた。
けど母さんは、
彼女に視線を向けない。
「柚樹くんは
樹梨みたくならないわよね」
刹那。
ジッと女を見つめる俺に、
母さんは言った。