girls-光に背いた僕等は-
「そうよね、柚樹くんは
賢いものね」
「……」
黙っていると、
母さんはそれでも微笑む。
「柚樹くんは、すごいもの。
樹梨なんて……」
「姉ちゃんのハナシ、やめて」
いつまでも
グダグタ言う母さんを遮るけど、
母さんは決して笑みを
絶やさない。
姉ちゃんが髪を染めたのは
もう、いつだったか忘れた。
学校行くときは
黒髪ボブのウィッグだけど
通常は地毛の金髪ロング。
俺は綺麗だと思ったけど
母さんは認めなかった。
世間一般は許さなかった。