vampire*love2
《side 森》




スッと空気が冷えた。




サクラ様は昌様の胸へ爪を立てる




「手負いのヴァンパイアに武器を向けて再起不能にするなんて高貴な生き物のすることなの?


私にはクズがすることにしか思えないのだけど?」



サクラ様の手に更に力が込められ、昌様のシャツにうっすらと血が滲む。



「サクラ、なにを…」



サクラ様の手を剥がそうと、昌様の腕がゆっくり動く



「動くな」



静かに凛と響く声に昌様の腕は止まる。



「もっと前からこうするべきだった。


そなたの存在を許すべきではなかったのだ…


昌、言い残すことはもうないな?」




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