vampire*love2
「ずいぶんと急ぎますね」
桜姫を部屋に見送って一旦自室に帰って来た俺を待っていたのは教育実習生。
「さすがね、黒沢 森。やはり貴方を狙って正解だった。」
「俺をどうにかしたところで桜姫は一人にはならないし、俺は死んだりしませんよ?新島先生。」
ピクッと眉が動く。
「あなたの命に用はないのよ。私は相川桜姫の、サクラさまの命に用があるの。」
「あなたはサクラさまだとわかってそれを言っているんですか?ヴァンパイア界の禁忌だと知って?」
「それでも…和樹さまが目覚めるのなら…」
女は強い目をしていた。