夢 -Yume-
急いで買い物を済ませると
車の元に走って行った。
地面から足が離れるたびに、足元に掛かる水滴。
雨は一行に止む気配がない。
車の所に着くと、目の前にさっきクラクションを鳴らした車が止まっていた。
「うそでしょ?
でれないじゃん!」
お母さんも待ってるのに…。
どうしよう…
雨の中、車に荷物を置き、鍵を閉めて、外へ出た。
雨に打たれながら、前の車に近づき車内を覗き込む。
人はいない。
「はぁ…。」
と深いため息をつき、その場に立ち尽くす。
あ、アナウンスしてもらおうか?
そうすればいいんだ!
そう思い、スーパーの施設内に向かうと、
男の人が通り過ぎた。
向かう方向など考えてもしかして…と思い、声をかけた。