瞳の住人
ボクは姿勢をただし、きちんとおすわりをすると、一度目を閉じて呼吸をととのえてから口をひらいた。

「ショウコちゃん、おかえりなさい」

ショウコちゃんの目がまんまるになった。

ムリもない。犬が人間の言葉をしゃべったんだもの。

「ト、トニー?」

「あのね、ショウコちゃん、ボク、しゃべれるようになったんだよ」



< 5 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop