紅蓮の鬼
「…えっとー……『色緋の竜胆に言い渡す。我らの長、桐生と酒を酌まんとするのなら色緋を潰すのみに限る』」
楓太が音読をする。
「……何これ?」
ガチめに訳がわからないというように眉間にシワを寄せる。
「…要するに…さっき言ってた銀鬼の長、花桂樹サマ」
空木が分かりやすく噛み砕く。
「その花桂樹サマと淋が結婚しないと、銀鬼が色緋を攻めるぞっていう脅しの紙切れ」
そう言って空木はその手紙をピラピラさせた。