紅蓮の鬼


それから、淋は花桂樹とある部屋に入って行った。


俺も淋に続いて行こうとしたら、空木に止められた。


「俺らは護衛みたいなもんだからねー」


「ここで待っとくのか?」


「そゆことー」


空木は暢気に空を見上げた。


「……………」


「……………」


「……あ、あのさ、空木、」


俺は思ってた事を言おうかと、口を開く。


「んー?」


「里の核となるお前らが抜けてんなら、簡単に攻められるんじゃねぇのか…?」


俺がそう言うと、空木は目を点にした。


「え」


「いや、それはないかな~」


空木は「あはは」と笑って言った。




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