紅蓮の鬼
ワタシはふーっと目を閉じて息をついた。
「貴様の嫁になる気は毛頭ない」
ワタシは飽きれ気味に言った。
「えー…。何で?俺と竜胆の子供ならスッゲー強いと思うのに」
千秋は頬を膨らませた。
「それより梔子、どういうつもりだ」
ワタシは千秋の隣にいた女顔のポニーテールに聞く。
女顔といえど、梔子は男だ。
「どうもこうも…あの通りだけど?」
梔子はフッと笑っていった。
「そんな堅苦しい話はさておき、ついでに嫁に来いや」
パァッと梔子の表情が明るくなった気がする。
「何故そこで――」
「おーい、お前ら。そろそろ始まるってよォー」
花桂樹が襖からひょっこり顔を出して言った。