紅蓮の鬼
そういえば淋の部屋ってこの辺なんだっけ。
俺は、何故、二人がこんなところを歩いているのかと思っていたから。
「あ、ここにいたんだ」
空木と目が合って言った。
「昨日言った通り、学校を辞めてきた」
淋は気のせいか、冷めた目で言った。
「割と早く終わるんだな」
もう少し時間がかかると思っていた。
「いや、退学届だけ渡して全速力で帰ってきた」
彼女はシレッとした表情で、淡々と言う。
「はぁ!!?」
それを聞いた俺は叫びを上げざるを得ない。