紅蓮の鬼


向こうじゃ俺ん家は、ちょっとした地主みたいなモンだったし、金も普通の家よりかはあった。


外食もしょっちゅうだったし、俺が学校とかで問題を起こしても、ほとんどって言っても過言じゃないほど、金で解決してた。


そんなことをしていたんで俺は、友達と呼べる奴は皆無だった。


怖がって誰も寄ってこねぇし。


正直学校なんてクソくらえっていう感じだった。


次第に、なんの為に生きてるんだろうって思い始めたし、リスカやアムカまでし始めた。


そんなことも所詮は、現実逃避。


あの時の俺はただ、逃げてばかりで、戦おうとしなかった。


空木の話を聞いて、俺は腹を決めないといけないと思った。


いつまでも甘えてはならない。


遠回しに空木がそう言っていた気がした。




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