紅蓮の鬼
「姐さん?」
前方から男と女が歩いてくる。
男と女はキョトンとした顔をして俺らを見る。
〝何故こんな所にいるのか〟とでも言いたげな顔だ。
「……案外、容易く見つかるんだな…」
淋がふぅと息をついて言った。
淋がそう言っても、男と女は頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
実際、俺も何のことかサッパリ分からない。
けど、淋のことだ。
何か考えがあっての発言だろう。
俺はなるべく表情を変えないようにする。