紅蓮の鬼
「……んじゃぁ、さっきのは嘘か」
なんとなく、淋に確認する。
「………いや……」
淋は難しい顔をしてゆっくりと言った。
「もしかしたら、ワタシとお前が本当に夫婦になるかもしれんな」
「え」
俺は彼女の爆弾発言に、ただ、ひたすら淋をガン見していた。
「仮にワタシが言ったことが里に広まって、空木に聞かれ、」
彼女はいまだに難しい顔のままだ。
「仕立て屋が来たら終わりだな」
淋は「はぁ…」とため息をついた。
「………………」
――イヤ、ちょっと、姐サン
「俺と夫婦になることがこの世の終わりみたいに言うの止めろよ」