紅蓮の鬼
とは言ったものの、俺自身、本当にどうなるか分からない。
ここにきて2年。
血なんて飲んでない。
少しの血で渇きを潤せるとは思わない。
そんなんで。
目の前にいる松谷を殺すかもしれない。
「…本当に、どうなるか分かんねぇ……」
俺がそう言うと松谷は「たかが指だろ」と、フッと笑う。
「俺が暴走したら、」
「………」
「ちゃんと止めろよ」
「…分かってる」
俺は松谷の突き出している指を手にとった。