紅蓮の鬼





「お待ちください!」


ガタンという音を立てて、空木が立ち上がった。


彼の顔が珍しく焦っていた。


「お言葉ですが、千秋は竜胆の指南のもt—―」


「紫苑」


空木の言葉を遮るように女の鬼老院が、彼の名前を呼んだ。


これは鬼老院Bとしよう。


「はい」


鬼老院Bが空木の目を見て口を開いた。






「黙れ」







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