紅蓮の鬼







「…………………」


これには空木もイラッときたらしい。


青筋が浮き出ていた。


「奴は光牙に修行をつけてもらい、自分でコントロール出来るようになった後に、鬼老院を滅ぼすつもりだ」


鬼老院Aとは別の男、鬼老院Cが言った。


「その通りだ」と言わんばかりに、周りの鬼老院B達も頷く。


「そうなる前に奴を始末せねばならん。この先、鬼老院がなくなってしまっては――」


-----ギギィッッ


「どうしようもないだろう?」と続けるつもりだったのだろう。


しかし、それは淋が椅子から立ち上がる音でかき消された。








「黙るのはお前たちだ、鬼老院」






一呼吸おいて淋は言う。




彼女の目は冷たかった。





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