紅蓮の鬼
「何の話かと思えば千秋の抹殺か」
呆れたように言った。
「下らん」
ハッと鼻で笑う。
「今まで何故、獣鬼の事例がないのか今のでよく分かった」
ギロリ、と睨みつける。
「お前たちにとって危険なものは排除する。それがたとえ自分の子供であろうと」
彼女の目には怒りの炎が揺れていたように感じた。
「そういうことか」
その目で睨みつけ、スタスタと部屋を出て行こうとする。
「ハッ、小娘が」
「笑わせる」
「待たんか」
順に鬼老院A、B、Cが言った。
「まだ何かあるのか」
淋はうんざりした表情を向けた。
「色緋の淋」
鬼老院Bが彼女の名を言った。
「長を剥奪する」
そんな鬼老院Aの声が響いた。