紅蓮の鬼
「つか、鬼ごっこなのに鬼追いかけてどーすんだよ!!?逆だろフツー!!!」
俺は人鬼だ。
人の形をした鬼!
「気づいているだろ?内側から沸き上がる、自分では制御出来ないほどの大きな力とかサ」
「!」
突然、彼の真面目な声が響く。
その言葉に俺は眉を顰める。
「記憶が無いのに物を壊していたと聞かされたこととかサ」
彼が言った途端に、辺りがパァァっと明るくなる。
――今度は何だよ!!?
「心当たりはたくさんある筈なのにサ」
俺は眩しさのあまりに目を細める。
「なんで認めないのサ?」
彼が、悲しそうに言った。
気がした。