紅蓮の鬼
...side楓太
「……んー…」
チチチ…っていう鳥の鳴き声で目が覚めた。
俺は起き上がって辺りを見回す。
――……どこだここ?
和風の部屋。
洋式らしきものは見当たらない。
つーか、まず物が無い。
あるとすれば床の間にある掛け軸と、生け花と木彫りのクマしかない。
……こんな部屋見たことないほど殺風景。
16畳くらいの部屋の真ん中に布団が敷いてあって、俺は寝かされていたようだ。
襖に書いてある絵が目に留まる。
魚が泳いでいた。
襖に絵が描かれているのを初めて見た。
俺は好奇心で近くに行ってよく見てみる。
…落書きかよ。