紅蓮の鬼






淋を見ると、彼女は花桂樹に支えられて辛うじて立っている状態だった。


グッタリしていて喘いでいた。


気のせいか、顔も赤い。


まるで微量の毒を盛られた時のように。


――……………………………………


微量の…毒?


ふと俺は、花桂樹が言っていたことを思い出す。


〝へぇ…今ごろ効くんだ?〟


――………効く…?


まさか、本当に毒を…?


「テメェ竜胆に何しやがった!」


気づいてたら俺は叫んでいた。







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