紅蓮の鬼
「…っ……」
汗か脂汗か冷や汗か。
どれか分かんねぇけど、頬を伝ってポタっと地面に落ちた。
「早くしろよー」
まるで子供がご飯をねだるように言った。
そして、淋の頬をツツーと指先でなでる。
「…ぁ……」
また、血の匂い。
――もうこいつマジ最悪
淋は藥の影響で顔が赤くなっている。
「…………」
そんな淋をキョトンとして見る花桂樹。
「そそるね、本当」
彼はニヤリと笑って、「女らしいことするじゃん」と付け足した。
「…や…めろ」
淋は熱で身体がダルイはずなのに必死に抵抗する。
「止めとけ。今は非力な女なんだからさ」
そう言い、花桂樹は淋の首筋に顔を埋めた。
「…やめ…っ」
花桂樹が彼女を支えていない方の手で、ちゃっかり淋の着物をほどいていく。