紅蓮の鬼
俺が寝かされていたってことは、ここは余っている部屋か客人用の部屋だろう。
俺はクスッと笑う。
全く、ここの世界にも悪ガキはいるらしい。
なんて思いながら、俺は障子を開ける。
目の前には庭があった。
…ふと目についたのは犬升麻(イヌショウマ)。
小さな白い花を花茎の先のあたりにつけている可愛い花。
なんでこんな湿気のなさげな庭に…。
俺は首をかしげた。
俺の知識に誤りが無ければ、この花は山地のやや湿った林内に生えるはずなのに。
そんなことを夢中で考えていると
「目が覚めたか」
「ぅおおう!!!」
松谷が声をかけてきた。