紅蓮の鬼







『俺は構わないよ?困るのは君だから』


彼はそう言って、得意げに微笑んだ。


『…っ……』


図星だった。


私は居たたまれなくなり、俯く。


『まぁ…どっちかが悲しんでる時に、どっちかが傍にいるんだ。そんな風な感じでとってよ』


彼は私の頭に手を置いた。


やはり、彼には勝てない。


そう思わされた時でもあったし、竜胆と呼ばれるようになった時でもあった。









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