紅蓮の鬼





「その様子じゃ、この先千秋がどうなるかなんて予想はついてるな」


ヤナセはほくそ笑んだ。


「大方、な」


「じゃぁ、問題はないのサ」


彼はさっきとは違い、ホッとしたように微笑む。


「オレの警告はそれだけなのサ」


ヤナセはそう言ってワタシと楓太に手を振る。


『バイバイ』という意味だろう。


ヤナセは最初と同じように、木に凭れて胡坐をかく。


そして、目を瞑った。






< 343 / 656 >

この作品をシェア

pagetop