紅蓮の鬼
...side楓太
「なに燃やしてんの!!?」
消火した後に、梔子サンが淋に掴みかかろうとするのを、俺は彼の脇の下から腕を通し、襟首の所で組み合わせて阻止する。
いわゆる羽交い締めってやつだ。
「いや、つい」
ジタバタする梔子サンを俺が必死になっておさえてんのに、淋はシレッとした表情で言う。
「『つい』!!?マジで!!?」
そんなんだから、俺はパッと力を緩めてしまった。
梔子サンはそれを見逃さず、俺を押し退けて、近くにある部屋に行ってしまった。
そこから淋に掴みかかろうとはせずに、その部屋から顔を覗かす。
「…………………」
「てか、『アラやだ、私ったらうっかりさん☆』みたいな顔しないでよ!!!」
梔子サンが淋の顔を見て叫んだ。
「いや、ワタシh」
淋が何か言っているのを遮って、俺は物申す。
「例え古っっ!!!一昔前の少女漫画か!!!」
「遮るな!!!燃やして使い物にならなくしてやるぞ!!!」
「何を!!?」