紅蓮の鬼




彼女は立ち上がって、少しはだけていた寝間着を整える。


「一度、空木の体を見せてもらえ」


「え、竜胆ってハダカ姿見たことあんの?」


千秋が遠慮がちに聞く。


「あぁ。かなり昔に、な」


「昔ってどんくらい?」


なんとなく、聞いてみる。


すると彼女は間をおいて


「数えて175くらい前になるか」


と、サラッと言った。


え…175って年……?





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