紅蓮の鬼
「あと、三つだ」
男の嬉しげな声が聞こえた。
その言葉でピンときた。
――ば、馬鹿な…
ワタシは目を見開く。
――あと三つだと…
そうこうしているうちに、男は人間を引き連れて、ワタシが来た道へと足を進める。
「……………」
ワタシは眉を顰めて、舌打ちをする。
やはり、どう考えても答えはそれしか見つからない。
「行かさんぞ…」
ポツリと言葉が口から零れる。
「なんだ?」
聞こえたのか、一人の人間が振り返った。
ワタシはユラリ、と立ち上がる。
――槐たちの元へは、行かせない