紅蓮の鬼
...side淋
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ワタシが目を開けると、見慣れない天井があった。
「……っ…」
体を起こすと、腹が少し痛む。
自分の体を見ると、胴体はほとんど包帯…のようなもので覆われていていた。
銃弾が食い込んだ肩の傷は、もう塞がっているようだ。
腹の部分にある布を捲って傷口を見ると、傷は肩と同じように塞がっていた。
だけど塞がっているのは見せかけだろう。
どうせ、抉り取られた部分はまだ治ってない。
――まぁ
「……………」
天井を見て、息をはく。
――死んでないだけマシか
「…………………」
ふと辺りを見渡すと、ワタシ一人が八畳といった広さの部屋で寝かされていた。
部屋には何も無く、右の方にワタシの羽織と着物が掛けてある。
ワタシは立ち上がり、羽織を肩にかける。
そして部屋を出た。