紅蓮の鬼



飛屋久の里を出て、歩く。


「今回ばかりは鬼の生命力に感謝せざるを得んな…」


ポツリと、言葉をこぼす。


手を自分の胸に置くと、規則正しい鼓動がする。


「無茶するから、竜胆は」


水陰は困ったように言い、息を吐いた。


「まぁ、無事で何より」


彼はワタシを見て微笑む。


「あぁ」





< 482 / 656 >

この作品をシェア

pagetop