紅蓮の鬼
「ワタシはどれくらい寝ていた…?」
「…七日……くらいか」
彼は空を仰ぎ、「槐が心配してた」と付け足した。
それから特に話すこともなく、ワタシと水陰は黙ったまま歩く。
「さて、そろそろ戻るか」
彼がそう切り出したのは、日が西に傾き始めた頃だった。
鴉が遠くで鳴いている。
「グルルルル…」
そんな音が二人の間でした。
「あ、竜胆ごはんまだ食べてないんだっけ?」
水陰が思い出したように言い、ワタシは俯く。