紅蓮の鬼
見張りを気絶させて鬼蜘蛛の中に入る。
――うわ、やべー興奮する
マジでRPGみたいな洞窟だ。
ジメジメしてて、暗くて、点々と壁に炬があって、足音が響いて…
…って、足音響いたらバレるだろ!
「…………………………」
――なにノリツッコミしてんだよ、俺
冷静にノリツッコミした自分にツッこむ。
「!」
不意に、下から誰かがゆっくり上がってくる音がした。
――え、ちょ、やべっ
螺旋階段のようになっていて横に行ける道があるけど、今俺がいる所には生憎横に行ける道がない。
で、結局。
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「……ここで何してる…」
鉢合わせになった。