紅蓮の鬼


下から上がって来たのは、運良く淋だった。


「………………」


――…って、あれ?


結界張ってんじゃなかったっけ?


空木が、結界は雷の……云々…って言ってたよな?


「…………………」


俺はバシバシと瞬いた。


――なんで淋がここに?


なんて思っていると、淋が俺の方に倒れてきた。


急に淋が倒れて狼狽するも、こんな場所じゃ色々よく分かんないし、見つかったらヤバイし。


俺、今なんでかイヴァルに貸してもらった指輪、外してるから。


取り合えず指輪をはめて、淋をお姫さま抱っこして、このダンジョンを脱出する。


――まさにマリ男のパターンだ!


俺がマリ男で~、淋が桃姫~♪


ルイー爺は空木かなぁ…。


んでも、空木はワリ男でもいけそうな希ガス……。


テレッテ テレッテッ テ♪


――……って、何をしてんだ俺は




< 543 / 656 >

この作品をシェア

pagetop