紅蓮の鬼


「鬼か?」


ふと松谷が可笑しそうに言う。


こいつ……混乱している俺見て笑ってやがる。


確かに今の俺はすっげー変だとは思うけど!!!


口で「そうだ」と言おうとしても、さっきと同じように唇が開かない。


だったら。


俺は頷こうとした。


「!!!??」


――……どういう、ことだよ…?


動かせねぇ…っ。


首が縦にも横にも動かせない。




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