紅蓮の鬼
一方、空木はというと。
彼はイスに座って目を落としていた。
……視点を変えれば、項垂れているようにも見えるその姿は…。
寝てんのか?
いや、まさか。
すると、空木が徐に頭を起こす。
「………………」
はい、結論。
空木は何か考え事をしているようだ。
彼がなんかすっごい、今話しかけてくんなっていうオーラ纏ってるから、俺は黙って空木を観察…もとい、見守っておくことにします。
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………ヒマだ……」
俺は誰にも聞こえないようにポツリと呟いた。