紅蓮の鬼
「!!?」
俺と空木はイスから立ち上がって、顔を見合わせる。
彼は驚いたような、焦っているような、そんな表情だった。
たぶん、俺と同じ顔をしていると思う。
俺は耳を澄ます。
一つ言えるのは。
足音が聞こえる。
それもゆっくりとした足取りで。
まるでホラー映画の主人公にでもなった気分だった。
俺と空木は閉まっているドアを見つめる。
――…何が来る?
鬼でるか蛇がでるか。
まさに言葉通りだった。