紅蓮の鬼


-----バァンッッ


本日三回目の銃声が聞こえた。


「!!?」


微かに香ったのは淋の血の匂い。


だけど空木には、血の匂いはしたけど誰の血なのかは分からないらしく、気にしていない様子だった。


ふと、ゾクリと背筋が凍った。


俺はバッとドアの方を見る。


だけど何にもない。


――…な……


なんかすっげー嫌なことが起こりそうな気が。


それより俺はさっきのことを空木に伝える。


「紫苑は姐サンのトコに行って」


「なんかあった?」


彼は暢気に首を傾げた。


「彼女の血が流れた」


「!」


それを聞いた空木は目を見開き、この部屋を出ていった。



< 585 / 656 >

この作品をシェア

pagetop