紅蓮の鬼
「淋に、このこと伝えてくる」
振り返った空木の顔にそう書いてあった。
――よし
俺は足を止め、翼を出し、上に高く、高く跳躍した。
そして鬼たちがどこにいるか見る。
――…あー……真っ暗で見えにくい
それもそのはず。
既に日が落ちて、夜になっているのだ。
だけど、全く見えないわけじゃない。
赤外線が見えるから。
……あれ、紫外線だったっけ。
まぁ、いいや。
「……っと」
見えたことを鴉に伝え、それを空木に伝えろと、俺は鴉を飛ばせた。