紅蓮の鬼


それから暫くして、ワタシ達が鬼蜘蛛に着いた時には、すでに十三人は集まっていた。


全員が来るまでの、束の間の休息だった。


それからワタシは今集まっている者たちから、何が起こったのかを聞いた。


「……………………」


「……………………」


「……はぁ…」


話を聞き終わって、ワタシは深くため息を吐く。


「幸せ逃げるよ?」


隣にいる空木がニコリと微笑んだ。


「問題ない。ワタシの幸せなど疾うの昔に失くしたわ」


目を伏せて、鼻で笑う。


「………………」


今回は、どうやらヘリから銃撃を受けたらしい。


ドッチボールと同じように、標的がたくさんいるとそこを狙われる。


だから、散り散りになって退いたらしい。


「……はぁ…」


ため息が、また出た。


「………………」


隣から空木の視線を感じる。


「小皺が増えるy」


「黙れ」




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