紅蓮の鬼


-----ドスドスッ


鋭い風は軌道を変えることなく、吸い込まれるように刺さる。


不思議と、鈍い痛みはなかった。


そしてワタシの心を埋めつくすのは、疑問。


聞こえるのは、規則正しい鼓動。


感じるのは、人の温もり。


「…な、ぜ……」


理解は、したくなどない。


ワタシはそれを見て、瞳を揺るがした。





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