紅蓮の鬼


「!!?」


それを聞いてワタシは目を見開き、胸を締め付けられた。


「けど、お前の代わりはいねぇんだ」


彼はワタシがよく言われることを口にする。


「お前ほど、頭のキレる奴は鬼の一族の中でいねぇんだ」


納得していないワタシに彼は「今日の作戦もお前が考えたんだろ」と付け足す。


—―違う


「そんなんで、お前が死んでみ?」


—―ちがう


「眠って指示できなくなったりしてみ?」


—―チガウ


「俺ら鬼の一族は終わりだぞ」


彼は「そんなの俺はゴメンだ」と鼻で笑った。




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