紅蓮の鬼


「心配性だな、お前は」


空木のとこに行こうとしている時、背中にそんな声が掛けられた。


その声はまぎれもなく淋で、いつものように腕を組んで、偉そうにしていた。


「……別にィ…」


彼女は、これから俺が何処に行こうとしているのか分かっているような口ぶりだった。


「風邪とかでも同じだろ。寝た方が早く治る」


「分かってはいるんだけどさ…」


どうしても、空木があのまま死んでしまいそうな気がしてならねぇんだ。


俺はその言葉を喉で止める。


言ってもどうせバカにされるから。


「おまえのその想像力、何かに生かせや」とか言われそうだし。


――うわぁ、マジであり得そう




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