紅蓮の鬼


それから俺らは、まだ向こうに帰ることはせずに、こっちに残っていた。


どうせ向こうに帰ってもまだ年齢に達してないし、することあるけどやりたくないし。


一方、淋たちは空木が目が覚めた(起きた)から、色緋に戻って行った。


勿論、俺もついて行った!←


……で。


帰ったのはいいけど、何故か淋の書斎に手紙が馬鹿みたいに届いていたらしい。


その話を酒の肴にして、聞く。


「なんの手紙?鬼老院のこととか?」


空木がスルメを口に入れた。


「んま、面白くないわねー。ラヴレターの方が面白味があるでしょうよ」


ポーン姉さんが人生初の日本酒を手に持って言う。


「はいはい質問、しつもーん。ラブレターとラヴレターの違いが分かりませーん」


イヴァルが枝豆を手に取る。


「んもう、ブヒブヒうるさいわね。発情期?」


「ブヒブヒなんて今まで一言も言ったことないよ!!?」


そしてまた二人がギャーギャー言い合う。


「あー…放っておけよ。毎度のことだから」


俺はお猪口の酒を呷った。




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