紅蓮の鬼
「銀鬼(ぎんき)」
これも空木に言われなくとも分かった。
「彼らは雷を操る」
「……………」
――やばい
話を切り出したのは俺なのに、話を聞くのが面倒になってきた。
「黄鬼(おうき)」
空木が地べたに書いた。
「彼らは毒を操る」
――うわ、毒とか体に悪っ
「紫鬼(しき)」
空木は地べたに書いた。
「彼らは心を操る」
――…心……
…もし、操られたら。
俺はありもしないけど、なんかありえそうなことを想像する。
「…楓太?顔色悪いよ」
キョトンとした空木が俺の顔をのぞき込む。
「放っておけ。どうせ変な想像でもしたんだろ」
淋がバッサリと切り捨てる。
……流石。
その通りっス←
淋さん。
「で、次、翠鬼(すいき)」
淋が呆れたように息を吐いた。
「こういうミドリっていう字」
地べたに空木が書いた。
「彼らは木を操る」