紅蓮の鬼
「雑種」
「え?」
ポツリと淋が言った。
気のせいかもしれないけど、ヤケに哀しそうな声で言った。
「あ~……そうかも」
ピンときたらしい空木が納得した表情で言う。
「雑種?」
俺はワケが分からずただ復唱する。
「色緋は混血の為、里を追い出された者が集って出来た里」
淋が噛み砕いた。
「よく言えば、色んな血が混じってるから、多数の性質が操れる」
空木は「まぁ、威力は純血には到底、及ばないんだけどね」と、苦笑紛れに付け足す。
「で、悪く言えば、さっき淋が言ったような〝雑種〟な」
ニィっと笑った。
――……なんか空木が言ったら、緊張感は皆無だ