緑色のボール~コスモスに誓う甲子園~
Bグループ(二軍)の練習試合でも初っ端から辰矢は投げていた。
ベンチに入れない2、3年を置いて。
俺や東、船木一年の中でも上手い(俺はわからないけれど)方だったから練習試合に使われた。
しかし、日に日に先輩の怒りや妬みがぷつぷつと溢れてきていた事に俺達は気づいてなかった。
「おい一年肩揉め!」
今まで肩揉みやパシリはした事はあるけど、ここ最近毎日パシラれている。
というか扱いが酷くなってきた。
特に俺、東、船木、辰矢とかが。
「おい辰矢。後で俺の部屋来いよ。」
「…はい。」
そして最近辰矢だけが度々呼び出されていた。
何があったのか聞いても辰矢はいつも何も答えなかった。