密恋～貴方に触れたくて～
頭の中から離れない桐生さんの顔

それを追い払うかのように､私は頭をブンブンっと振り､その衝動で頭がクラクラしてしまい､思わず手すりに掴まり目を閉じる

って､何をやってんだか‥‥

電車の車内で､一人で馬鹿な事をしている私を､座席に座ってる女性の痛い視線を送られてるのに気が付いた私は､恥ずかしくなって俯いてしまった

それから電車を降り､バスで大学に向かう

バスの中は学生で混雑

気の弱い私は､なかなか強引にバスに入る事も出来ずに､次のバスが来るのを待つ事にした

こんな時､大学近くのアパートに同棲している綺羅と伊集院先輩が羨ましい

遊びに来てって言われているけど､まだアパートにはお邪魔はしていないんだけど､確か大学から徒歩で5分位の場所にアパートがあるって言っていた

築年数は新しくて､内装のインテリアにも拘っているから､遊びに来て間違いなしっと太鼓判を押す綺羅

でも､なかなか同棲している部屋に遊びに行くのは抵抗があって‥‥

そもそも､私は友達の家に遊びに行った事すら経験がない

だから､実際どうしたら良いのか分からないんだよね‥‥

親戚の家に行く時､また父の会社の人が来る時､親戚が来る時､みんな高級そうなお菓子や何かしらの手土産を持ってくる

菜々子さんも､毎回のようにケーキを買って来てくれる

やっぱり､遊びに行く時は何か買って行った方が良いんだよね？

今は苺が旬だから､私の大好きな苺のタルトと苺のミルフィーユとか持って行けば良いのかな？

伊集院先輩は‥‥

綺羅が言うには酒豪だって言ってた

でも､私はまだ18だしお酒は買えないから､悠磨兄さんにでも頼めば良いか‥‥


そんな事を考えながら､やっと来たバスに乗り込む

一番乗りだ♪

そう思って､一番奥の窓側の座席に座ると､あっと言う間に学生で混雑してしまった

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