密恋~貴方に触れたくて~
そんな綺羅は、ラッキーとばかりに100円玉を空に投げてキャッチを繰り返している


「そうだ!!
 サッカー愛好会なんだけど、何で女が少ないか幹太に聞いたんだ
 そしたら、サークルを立ち上げたのが桐生さんで、桐生さんの好みの人しか女は入れないって話だよ
 だから、私等はあのイケメンに認められたって事じゃん♪」

「そ、そうなの?
 でも‥‥、それは伊集院先輩の彼女と友達だからで、認められたとか‥「また否定発言!!
 100円の徴収になりま~す♪
 ったく、悠璃は否定ばかりするから私達の学食代も浮きまくりだよ~
 もっと自信を持ちなってば!!
 っで、悪いんだけどさ~
 これを桐生さんに届けてくれる?
 私、今日は幹太とデートしてくるんだ♪
 だからお願いね~!!」

「えっ?
 デートって‥‥
 授業は?
 って、ちょっと待ってよ!!」


いきなり手渡されたサークルの申込用紙

綺羅は、私に押し付けるなり走って行ってしまったのだった

思わず呆然としてしまう

つまり、私が一人で桐生さんに用紙を渡しに行くって事だよね?

えっ?

えぇぇぇぇぇぇ~

私は動揺から、思わずその場にしゃがみ込んでしまった

どうしたら良いの?

私一人でなんて無理

無理、無理、無理!!

何て声をかけたら良いの?

どうしよ~

あまりの突然の事に、私は頭の中が真っ白って言うか、混乱してしまった










頑張れ

頑張れ

そう自分に言い聞かし、なんとかC棟の415号室前にやって来た歯いいけど、閉じられた扉を開ける勇気がなくて、かれこれ30分は廊下で立ち往生中‥‥

やっぱり無理!!

私には荷が重すぎだよ~

教室を仕切る扉に付いた窓から、室内を覗き込み、桐生さんの姿を見つけた私は、気が付いたら逃げ出してしまっていたのだった

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