密恋~貴方に触れたくて~
情けないって、自分でも分かってる

これじゃあ、また綺羅に100円を取られちゃう‥‥

講義の間、ぼんやりとクシャクシャの用紙を見つめながら溜息を吐く


「月城さんだったよね?」

「えっ?」

「名前‥‥月城悠璃さんだったよね?
 今日は綺羅ちゃんとは一緒じゃないの?」


へっ?

綺羅の友達?

私の肩をポンポンっと叩いて声をかけて来たのは、髪の毛をUPさせ派手なメイクをしている女の人だった

よく見れば、黒いネイルにキラキラとゴージャスにデコされた爪が目見飛び込む


「私、牧野莉子
 インテリ科の1年
 宜しくね!!」

「あっ、わ‥私は月城‥「ぅん!!
 知ってる!!」


私の言葉を遮り、クシャっと笑顔を見せた牧野莉子さん


「今年、可愛い一年がいるって噂になってる月城さんだもんね~♪
 知らない人なんか居ないよ~
 ってか、もう一人の噂の人物は休みなの?」


噂って‥‥

しかも、可愛いとかってさらっと言ったけど、いったい何の事か分からず呆然としてしまう


「もしも~し!!
 もしかして、悠璃ちゃんって天然?
 無自覚?」

「無自覚?」

「はぁ~
 やっぱり無自覚かぁ~
 いつも綺羅ちゃんが、しっかりガードしてるから近寄れなかったけど、悠璃ちゃんってめっちゃ男達にチェック入れられてるよ!!
 声を掛けたい男が、ほら‥‥
 あっちにも、こっちにも居るでしょ?」


あっちにも、こっちにもって言われて教室内を見渡してみれば、確かに男の人の視線が目に入る


「大丈夫!!
 綺羅ちゃんが居ない時は、私らがガードしてあげるから♪
 男の人が苦手なんだよね?
 綺羅ちゃんにも頼まれてるから、私等に警戒しないで仲良くしてよ♪」

「そうそう!!
 安心して大丈夫だからね♪
 って、私は藤江小乃葉で、こっちが中嶋仁美ね
 悠璃って呼んで良いよね♪」


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